Case 08

「健康な歯が持つ力」と「歯科医師の役割」を京都から日本中に広めたい 歯科医師・福原隆久の「UCHILA」

2016/08/08
地元、京都府で「あゆみ歯科クリニック」を立ち上げ、今年7年目を迎える福原隆久院長。父親から強く影響を受け、幼いころから歯科医師を目指していた福原院長に、歯科医師に必要なモノ、歯科医師を目指す関西の学生にいまから取り組むべきコトについてお話をお伺いしました。

父の影響で小学生のときには歯科医師になると決めていた

― 「あゆみ歯科クリニック」のホームページを拝見しました。クリニックの情報や診療理念だけではなく、福原院長とスタッフの紹介が充実している、親近感がわく内容ですね。

ありがとうございます。内容は、だいたい僕が考えています。これから絶対にパソコンの時代がくると思い、ホームページを作ったり、ブログを書いたり、独学で勉強しました。いざやってみるとハマりますし、歯科医院を開業するとき業者にホームページ制作をお願いするとして、知識がないとちゃんとしたやりとりができません。歯科医師を目指す学生は、今のうちに勉強するとメリットが大きいと思いますよ。

― IT歯科医師ですね!福原院長が歯科医師を目指したきっかけは?

きっかけは、幼いころです。父が歯科医師として働いていて、ずっと近くで見ていました。学校が終わったら父の診療所に行ったり、夏休みの工作の宿題でも、歯科医院の材料や機械を使って作ったりしていました。歯科医師が自分にとって身近なものでしたから、将来のことを考えたとき、歯科医師になろうと決めていました。

― お父様の影響ですね。

非常に強いです。小学生、中学生のときには歯科医師になりたいというか、なると決めていました。高校生になると、歯学概論を読んだりしていました(笑) ほんまの授業で使うような本が、自宅にあったんですよ。

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― 歯科医師になると決めて、お父様の反応は?

進路のことに関して、父はなにも言いませんでした。むしろ、「これからの時代、歯科医師は厳しいぞ」「公務員にでもなったほうがええんちゃうか」とよく言われましたね。本気か冗談かわかりませんが(笑)。

歯学部に入ってからの6年は人生でいちばん勉強した

― 学生時代に熱中したことは?

勉強でも遊びでも、ひとつのことに熱中するタイプでした。小学生のときはミニ四駆にハマって、とことんやってみたり。部活は山岳部と将棋部で、将棋は京都府の大会で優勝しました。なにかをはじめたら、結果をだすところまでやりたい性格なのかもしれません。勉強は……、そこそこしかしていなかったかもしれません。

― 勉強がそこそこというのは意外です。

大学に入ってからの1~4年生くらいまでは部活をしたり、仲間とスノーボードをしたりと、ワイワイ騒いで遊ぶことが多かったのですが、5・6年生の時は人生で一番勉強しました。5年生の途中からはほんま真剣に頑張って、起きている間はずっと、1日16時間ぐらいは勉強していました。

患者さまは一人ひとり違う人間

― 出身地である京都の地で開業をされましたが、やはり地元への愛着はあるのでしょうか。

ありますね。大学を卒業したころは日本中どこでもいいわと思っていましたし、岐阜県で開業しようかなと考えたこともあります。岐阜は母方の実家があり、幼いころからお盆や正月に行く機会がありましたから。でも、実際開業するタイミングで、やっぱり地元の京都に帰ってこようと思いました。理由はうまく説明できないのですが、しいていえば生まれ育った場所の空気感、愛着と思い入れです。

― 歯科医師として働くうえで、関西と他の地域で違いを感じることはありますか?

それはないと思います。開業する前に岐阜と大阪で仕事をしましたけど、京都との違いを感じることはありません。地方は方言やイントネーションが違うから、言葉のニュアンスに気をつけることはありました

― 患者さんとのコミュニケーションを大切にしているんですね。

一人ひとりが違う人間ですから、しっかり診ています。同じ虫歯の治療でも接し方や話し方に変化をつけて、たくさん話しをしたい人、話をせずに治療をしてほしい人など、患者さまの要望を感じ取って応えるようにしています。

京都から日本中に健康的な歯を広める

― 今後の展望を聞かせてください。

年齢別平均残存歯数において、日本一を目指すことです。それはなぜかというと、残存歯数が高ければ高いほど食事がしっかりできて、年を重ねても楽しく元気でいられるから。歯が健康であるということは非常に大切なことです。歯の健康は、食事だけでなく、正しい姿勢の維持にも影響してくるので、カラダも曲がりにくくなります。そして、健康寿命が長くなる。日本は医療が進んでいるから、平均寿命は世界一。でも、寝たきり率も世界一です。

― 健康な歯が多く残っているほうが、健康的に長生きできる。

そうです。健康寿命を平均寿命に近づけるという観点で、歯科医師ができる役割は大きいと思っています。それは、歯を守ること。年を重ねても健康な歯を保つ手助けをすることで、自分の歯で食事をして、カラダの歪みや衰えを抑え、認知症を防ぐこともできる。いきなり日本中の年齢別平均残存歯数を上げることはできないかもしれません。でも、僕が京都の年齢別平均残存歯数を少しでも上げることで、歯科医師が持つ力を日本に大きく広めていきたい。日本人みんなが健康で楽しく長生きをする、そのための取り組みをしていきたいですね。

福原院長が考えるマーケティング戦略とは

― それでは最後に歯科医師を目指す関西の学生にアドバイスをお願いします。

歯科医師の99%は、開業医になります。統計的には、100人いたら99人は開業する。いま歯学部や高校生で歯科医師を目指している人の大半は、「開業するかわからへんな」と思っているかもしれませんが、将来開業医になったとき困らないために、歯を削る、抜く、入れ歯を作る、インプラントなど、歯科医師に必要な技術はもちろん大事だけど、いまから運営面の勉強をすること。開業医はスタッフを採用し、教育、人事評価と一般的な会社の経営者と同じことをします。

― 運営面の勉強はいまからでもできると。

高校生や大学1年生であれば、歯の治療についてまだ深く学ぶことはできません。でも、会社の作り方は年齢関係なく学べる。IT企業なら、10代で起業する人もいるじゃないですか。やろうと思えば、高校生でもできる。いまから勉強をしておくと、将来開業医になるとき大きなアドバンテージを得ることができます。他には、マーケティング戦略とか。

― マーケティング戦略ですか……?

僕が考えているマーケティングというのは、「人を集める」ということで、患者様を呼ぶだけでなく、スタッフの採用もマーケティングだと思っています。広告を出稿する場合、各種媒体の違いを勉強して、文章の書き方を変える。同じものでも載せる媒体が違えば内容は変わりますから、知っておく必要があります。

例えば患者さまを呼ぶとして、近所向けなのか、特定の年齢層向けなのか。それらをどの媒体に載せるか決めていくのもマーケティングです。そういった考え方をいまのうちに理解しておくこと。50%は治療の技術と知識、あと50%は運営に関すること。そのバランス感覚が、歯科医師、とくに開業医を目指す人にとって大事です。うちのクリニックで働いてもらえれば、いろいろ教えますよ(笑)

このインタビューに答えた人

福原隆久

1980年京都府宇治市生まれ。朝日大学歯学部歯学科を卒業後、勤務医を経て、生まれ育った京都府八幡市にてあゆみ歯科クリニックを開院し、院長を務めている。
あゆみ歯科クリニック

[ライター/大川竜弥]

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